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怪奇漫画の巨匠・日野日出志が『怪奇!死肉の男』をAIで映画化 7月24日公開。

作成者: AICU Japan|2026/07/22 16:39:52 Z

怪奇漫画界の巨匠・日野日出志先生の名作『怪奇!死肉の男』を、「カメラを止めるな!」の撮影監督、AI映画「AZUSA」の監督・曽根剛(X@aisonesone)が映画化しました。脚本、画像、映像、音声、音楽などの制作工程で生成AIを活用した作品が2026年7月24日(金)より池袋シネマ・ロサを皮切りに全国で順次公開されます。死を超えた家族を思うゾンビが描く人間ドラマを生成AIはいかにして現代に蘇らせるのか。そして癌を患いながら日野日出志先生自身が舞台挨拶に参加。「この映画を通して永遠になれた」という言葉。創作に関わる人々にとってこの夏、注目の一作です。

単に「AIで漫画を映像化した」という作品ではありません。原作者自身の死への恐怖、家族への思い、亡き妻の記憶、そして闘病中の現在までを、AIという新しい表現手段によってひとつのスクリーンに重ね合わせる試みです。

公開翌日の7月25日(土)には、すい臓がんの治療を続ける日野先生が、AIによって生成された「AI日野日出志」としてスクリーン上に登場する舞台挨拶も予定されています。

日野先生は公開にあたり、次のコメントを寄せています。

「『死肉の男』を映画化するのをずっと夢みていたので、公開を迎えられて感無量です。私はこの映画を通して永遠になれた気がします。」

原作者と亡き妻が、AIによって同じ映画の中に存在する

本作では、日野先生自身もAIによって生成された姿で映画本編に登場します。さらに、主人公の妻となるキャラクターは、日野先生の亡き妻の写真をもとにAIで制作されました。原作者である日野先生、日野先生の内面から生まれた「死肉の男」、そして亡き妻の面影。現実には同じ場所へ集まることのできない存在が、AIによって同じスクリーンの中に置かれます。

https://hinohideshi.com/

生成AIを使った映画というと、制作費の削減や作業速度、映像表現の新しさが語られがちです。しかし、本作でAIが担っているのは、効率化だけではありません。失われた時間や、もう会えない人、身体的な事情によって参加できない場所を、映像表現として再構成すること。

AIを「人間の代用品」として扱うのではなく、人間が抱えてきた記憶や願いを、別の形で残すために使う挑戦でもあります。

闘病中の原作者が「AI日野日出志」として舞台挨拶へ

日野先生は2025年11月にすい臓がんを公表し、現在も治療を続けています。

本人の身体的負担を抑えながら映画公開の場に参加するため、7月25日(土)の舞台挨拶では、AIによって生成された姿の「AI日野日出志」がスクリーン上に登場します。

当日は、世界的ホラー漫画家の伊藤潤二先生と、本作を製作した曽根剛監督も登壇予定です。

日野先生と伊藤先生は、ともに日本のホラー漫画を世界へ届けてきた作家です。闘病中の原作者がAIを通して観客の前に現れ、自らが長年夢見てきた映画の公開を迎える、異例の舞台挨拶となります。

また、8月1日(土)には、本作にAI音声で参加した俳優の佐伯日菜子さんと利重剛さんによる舞台挨拶も予定されています。

実在する俳優たちがAI音声で出演

声の出演についても注目です。主演の声を務めるのは、日野日出志監督『ギニーピッグ2 血肉の華』(1985)で主役を演じた田村寛。そのほか、『ザ・ギニーピッグ マンホールの中の人魚』(1988)で主演を務めた斉木しげる、ホラークイーンの異名を持つ女優の佐伯日菜子、怪演俳優の佐野史郎、ホラー漫画界のスター・伊藤潤二らが名を連ねています。

本作では、実在する出演者のAI音声が長編映画に使用されています。発表によれば、原作漫画の全編AI映画化と、実在するキャストのAI音声出演を組み合わせた長編作品は、国内初の試みとされています。

AI音声を使うことは、単に本人に似た声を作ることではありません。本人の同意や権利処理、演技としての設計、クレジット、利用範囲など、従来の映画制作にはなかった判断が必要になります。

クリエイターにとって本作は、完成した映像だけでなく、実在する人間の声や姿をAI作品でどのように扱うのかという点でも、重要なケーススタディになりそうです。

脚本、映像、音声、音楽。68分の長編を生成AIで制作

『怪奇!死肉の男』では、原作漫画をもとに、脚本、画像、映像、音声、音楽などの制作工程で生成AIが活用されました。脚本のクレジットにはChatGPTが記載されています。

監督は曽根剛氏、プロデューサーは寺井広樹氏。日野プロダクションが企画・製作を担当しました。

生成AIによる短編映像や予告編、ミュージックビデオは急速に増えています。一方で、物語や登場人物の一貫性を維持しながら、観客が劇場で鑑賞する68分の作品を完成させるには、短いデモ映像とは異なる制作設計が求められます。映像を生成する技術だけでは、長編映画にはなりません。

原作の解釈、脚本の構築、カットの接続、声の演出、音楽、編集、そして「この作品で何を残すのか」という意思が必要です。

日野先生の「映画化したい」という長年の夢を中心に据えたからこそ、複数の生成技術をひとつの作品へ束ねることができたのではないでしょうか。

海外映画祭でも受賞・上映

本作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で初公開されました。

その後、宮古島チャリティー国際映画祭のほか、シドニーで開催されたOMNI 1.5 Hyperphantasiaで「Official Long Narrative Award」、Amsterdam New Cinema Film Festivalで「Best AI-generated Feature Film」を受賞したと発表されています。

Asian Independent Film Festivalをはじめとする海外映画祭でも受賞・選出され、中国、アメリカ、オランダ、韓国、インドネシア、タイ、イタリア、アルバニア、ポルトガルなど、各国で上映が続いています。

日本の怪奇漫画が、生成AIによる長編映画という新しい姿を得て、再び海外へ渡っていくことになります。

https://x.com/hino_pro/status/2076145605286772892

AIは、クリエイターを「永遠」にできるのか

日野先生の「私はこの映画を通して永遠になれた気がします」という言葉は、生成AI時代の創作に重い問いを投げかけます。

作品が残ることと、作家本人が残ることは同じではありません。

姿や声を再現できたとしても、それが本人そのものになるわけでもありません。しかし、自分が生み出した物語の中へ、自らの姿や声、記憶を託すことはできるかもしれません。

本作は、生成AIによる映画制作の技術的な到達点だけでなく、作家が自らの死や不在と向き合いながら、何を未来へ残そうとするのかを映した作品です。

AIを使ったから新しいのではなく、AIでなければ実現できなかった表現に踏み込んでいる。

クリエイターにとって注目すべきなのは、まさにその点でしょう。

原作漫画を知る人も、生成AIによる映像制作に取り組む人も、ぜひ劇場で、この68分間の挑戦を見届けてみてはいかがでしょうか。

公式サイト: shiniku-movie.com/
予告編: youtu.be/WPe56u-LxZY

※本記事は日野プロダクションから提供されたプレスリリースをもとに構成しています。

https://note.com/aicu/n/n22cfb9ea8a57

Originally published at note.com/aicu on Jul 21, 2026.