来夢ライト氏ら個人クリエーター主催、AICU協力で開催した、動画生成AI Sora2の可能性を「あえて予算を削る」という逆転の発想で探求した「#総制作費ワンコイン映画祭」。応募総数380作品の中から、厳正なる審査を経て選ばれた受賞作を発表します。
動画生成AIに「制作予算5億円」と入力してクオリティを上げるハックに対し、逆に「5ドル(ワンコイン)」と指定することで生まれるチープで愛すべき"AI B級映画の世界"。制限の中でこそ輝く「アイデア」と「映像の本質」を楽しむ本コンテストは、X(Twitter)でのトレンド入りを果たすなど大きな盛り上がりを見せました。
応募期間: 2025年11月10日 ~ 12月17日
応募総数: 380作品
主催: 来夢ライト氏、yachimat氏、絵空事テレビ氏
協力: AICU media
「予算を削る」という行為は、装飾を削ぎ落とし、作品の「アイコニックな部分」や「物語の本質」を浮き彫りにしました。単なるお笑い動画に留まらず、作者の原作リスペクトや映像哲学が映し出されているかを重視しています。
上映会および審査講評はオンラインライブで収録されています。
https://j.aicu.ai/1coinAward
しらい: 皆さんお待たせいたしました!AICU Lab+ 忘年会スペシャル、いよいよ「#総制作費ワンコイン映画祭」の上映会と授賞式を始めたいと思います!
来夢ライト: よろしくお願いします!ついにこの日が来ましたね。
しらい: 最終的に応募は何作品になったんでしたっけ?
来夢ライト: ちょうど380作品です。膨大な熱量が集まりました。今日はその中から、チープ、アイデア、コメディの3部門、そして大賞を選出していきます!
来夢ライト: まずはチープ部門。「安っぽさ」を演出として使いこなし、B級・Z級映画の味わいを見事に表現した部門です。トップバッターは赤獅子屋さんの「予算5ドルのデスゲーム」です。
しらい: おお……この背景、完璧に日本の「公民館」じゃないですか! Sora2、よく学習してますね(笑)。
※NSFW作品のため埋め込み不可
https://x.com/esunishi_shinjo/status/1999636414003315085
<元ネタ:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説>
来夢ライト: そうなんです。役者の「演技が上手くない感じ」が、逆に自主制作映画のリアリティを醸し出していて最高なんですよ。
しらい: おばあちゃん、毒入りの飲み物明らかに飲んでない(笑)。この「安っぽいのにシナリオがしっかりしている」バランスが絶妙ですね。
来夢ライト: 続いてアイデア部門。「その発想はなかった」と思わせる、制約を逆手に取った独創的なアプローチを評価する部門です。
ネイヴさんの「スターウォーズ(猫版)」です。
キャラクターを人間ではなく「マジの猫」に演じさせることで、プロンプトの不確実性を「猫だから仕方ない」という愛嬌に変換した天才的発想。
しらい: !! マジの猫じゃないですか! キャラクターに喋らせるんじゃなく、猫にコスプレさせてる。
来夢ライト: 天才ですよね。「プロンプト通りに動かなくても、猫だから仕方ない」と割り切ることで、AIの不確実性を愛嬌に変えてるんです。
しらい: 走って逃げて腰をぶつけるシーン、完全にリアルな猫の動きだ……。これは「ニャンコイン映画祭」の誕生ですね(笑)。
コメディ部門は純粋な笑いと、AI特有のシュールな「間」や表現を最大限に活かした作品に贈られる部門です。
<元ネタ:千と千尋の神隠し>
誰もが知る名シーンを、船でも海でもない場所で、さらに関係ない「おじいさんのアップ」で締めるという高度な二段落ち。
来夢ライト: コメディ部門はケティさんの「沖に出ないタイタニック」。
しらい: 船にも乗ってないし、海ですらない(笑)。
来夢ライト: そしてなぜか最後、全然関係ないおじいさんのアップで終わる。この「二段落ち」の間が完璧なんです。
しらい: この短さで一番SNSでインプレッションを稼いでいたなんてすごいタイパじゃないですか。
来夢ライト:AI特有のシュールさが最大限に活きています。
今回、380本もの作品をすべて拝見し、クリエイターの皆さんの熱量に圧倒されました。チープさを指定することで、逆にAIが「人間が演じているような生々しさ」を出してくるという発見は、今後のAI映像制作における重要な指針になると確信しています。制限があるからこそ生まれる「引き算の美学」が、すべてのノミネート作品に宿っていました。
すでに公開されたファイナリスト作品の紹介が行われました。
AICU賞ファイナリスト作品
【審査員コメント:しらいはかせ】
まだ漫画原作しかない「YOUKAI」をイマドキの実写映画化してくれたことに感動です。殻尾さんと毎回ディスカッションしながら作っている特徴的なシーンの数々をAI二次創作で実写化してくれたことで、世界観がさらに広がりました。アイキューマガジン今月号から始まる「YOUKAI 生徒会編」も期待してください!
「公民館」という日常的な場所を舞台にできたSora2の底力にも注目ですが、チープな小道具と俳優たちの「わざとらしい演技」でデスゲームの緊迫感(と滑稽さ)を表現した力作。作者は演劇経験者ということも明かされました。関連プレイリストも注目です
【審査員コメント:しらいはかせ】
日本の公民館という難易度の高い背景をSora2で引き出し、誰が見ても面白いエンターテインメントに仕上げた技術とユーモアを高く評価しました。
AICU賞・YOUKAI賞の副賞: AICUクリエイターネットワーク特製カレンダー 2026 & アイキューマガジンVol.20ペーパーバック
しらい: それでは、380作品の頂点、「ワンコイン大賞」の発表です!
来夢ライト: ワンコイン大賞は……「Horror Forever(ホラー・フォーエバー)」、江洲西さんです! おめでとうございます!
作者:江洲西 信条(えすにし しんじょう)
X@esunishi_shinjo
※作品表現上、流血表現、セミヌード表現が含まれています。ご注意ください。
https://x.com/esunishi_shinjo/status/1999636414003315085
賞品: 50,000 AICUポイント
(Amazonギフト券5,000円相当分への交換可能)
【プレゼンターコメント:来夢ライト】
「チープさ」を単なるネタではなく、サイコホラーの「幻覚」という演出に昇華させた構成力が圧巻でした。ホラーへの愛と、AIをスタッフとして使いこなす姿勢が素晴らしかったです!
しらい: (作者の江洲西さんが登場)おお、リアルに興奮してますね!
江洲西: ありがとうございます!決勝まで行けると思ってなかったので……AIスタッフへの労いも忘れずに、これからも精進します!
来夢ライト: この作品はチープさを「幻覚」という演出に昇華させていて、構成力がずば抜けていました。
来夢ライト: 制限があるからこそ「映像の本質」が見えてくる。今回の映画祭で、AIプロンプトの奥深さを再確認しました。
しらい:初代ワンコイン大賞となった江洲西さん、ご自身での上映会も計画されているようです。次回作も企画していらっしゃるようなので、これからの活躍も期待ですね!
来夢ライト&しらい: 皆さん、メリークリスマス!そして良いお年を!
全作品にアクセスできるハッシュタグ「#総制作費ワンコイン映画祭」
ファイナリスト作品プレイリスト(YouTube)
https://j.aicu.ai/1coinYF
来夢ライト氏によるセレクションです。
本コンテストの特集記事および受賞作の詳細は、AICU Magazine 2026年1月号(Vol.20)にて掲載予定です。ぜひ1月中旬に美麗な印刷で発刊されるペーパーバック版をお買い求めください! https://j.aicu.ai/kindle
「AICU Lab+勉強会」の1年を締めくくるオンライン忘年会の中での開催となりました。作者自身によるメイキングや次回作構想などが尊い交流会となりました。
次なる戦いの舞台は「ミュージックビデオ(MV)コンテスト」!
2026年2月中旬より、AiCutyの新曲「PicoPico! Shooting Game (ピコピコ!シューティングゲーム)」をテーマに開催予定です。静止画派の方は1月中旬の「表紙コンテスト」をお楽しみに!
Originally published at note.com/aicu on Dec 24, 2025.