新生AICU Lab+NEO勉強会!Supercell×フィンランド裏話、顔芸CM、MVP開発——初回から濃すぎる90分のハイライト!

新生AICU Lab+NEO勉強会!Supercell×フィンランド裏話、顔芸CM、MVP開発——初回から濃すぎる90分のハイライト!

AICU Lab+NEO 始動!専門家相談ギルドで「つくる人」の課題を解き明かす!イラスト、動画、ゲーム開発、サービス設計——。AI時代の「メタクリエイター」を目指す人々が集う新プロジェクト「AICU Lab+NEO」が4月18日にスタートしました。

初回から、Google渋谷キャンパスやSupercell(フィンランド)での国際ゲーム開発の最前線レポート、そして参加者によるリアルな「ピッチ&相談」が飛び交う熱い90分となりました。そのハイライトをお届けします。

📝 今回のキーワード

  • MVP: 最小限の価値を実証するプロダクト。
  • トークナイザーの弱点: 日本語は英語に比べトークンを多く消費するため、英語思考が有利。
  • バイブスコーディング: 感情と勢いで作るフェーズと、保守性を重視するフェーズの切り分け。
  • AGENTS.md: AIエージェントの挙動を制御するための指示書ファイル。

フィンランドの森から学ぶ「AI時代のリアリティ」

白井博士からは、北欧フィンランドでのSupercell AI Innovation Labによる国際ハッカソン「Arctic Bootcamp」の裏話が共有されました。ラップランドの雪深い森の中で、Supercellのクリエイターたちと1週間にわたって5作品を制作するという体験。トナカイが引くソリに乗り、サーミ人のシャーマンと出会い、マイナス30度の中でサウナに入りながらゲームのアイデアを語り合う——そんな「デスゲーム」のようなハッカソンから得られた知見は、AIクリエイターにとっても示唆に富むものでした。

特に印象的だったのは「森の概念」の違いです。私たちが日本で想像する森と、極寒の地で100年かけて細く育つ原生林では、木の太さも密度も全く異なります。日本人が見て「50年くらいの木かな」と思う太さの木が、実は100年以上の樹齢だったりする。こうした「リアリティの解像度」は、AIが生成する映像にもそのまま影響します。プロンプトに「forest」と書いただけでは、この違いは表現できません。実際にその場に立ち、写真を撮り、木の皮のテクスチャを記録する。そういったリファレンスの蓄積が、他のクリエイターには真似できない作品の深みを生むのです。

 

 

 

 

 

また、ビッグテック(Google、OpenAI、中国勢など)が次々と新しいAIモデルを繰り出す中で、「後出しジャンケンの戦略」についても解説がありました。Googleは Veo 3.1 を出している裏で Veo3.x や Veo 4 を準備している可能性があり、競合が新モデルを出したタイミングで上回るカードを切る…そういう体制ができています。クリエイターとしては、特定のモデルに全力ベットするのではなく、新モデルが出るたびに自分のベンチマークで評価できる体制を作っておくことが重要です。

お笑い×AIの最前線:ハゲベンチマークと顔芸の可能性

YouTube運営者である高橋さんからは、芸人のネタをAIで映像化する際の切実な課題が相談されました。会社としてはGoogle VEOとRunwayしか使用を許可されていない中、SeedDance 2.0やHappyHorseといった新モデルが次々と登場し、「使えないけど気になる」というジレンマを抱えているとのこと。

白井先生からの提案は意外なものでした。「顔芸」です。特徴的な顔を活かしたCM制作の可能性——例えばカツラメーカーやAGA診断クリニックのCMを想定して、スキンヘッドの人が「魔法の薬で髪の毛がめちゃくちゃ生えて困ってます」という映像を作る。従来のCM制作では、いい感じの髪の毛の俳優をバリカンで刈り込むという逆撮影をしていたわけですが、AIならそれが不要になります。

さらに深い議論として「死んだ目」と「生きた目」の話がありました。AI生成動画の最大の課題の一つは、キャラクターの目です。両目が同じ一点にフォーカスしていれば「生きている」と感じるが、微妙にずれると「死んだ目」に見える。キャッチライト(目の輝き)の有無、3秒以上同じ場所を見つめ続けるかどうか——こうした微細な違いが、視聴者に無意識の違和感を与えます。白井先生がカメラの前で実演した「死んだ目」と「生きた目」の切り替えは、参加者全員が即座に違いを認識できるものでした。「なぜわかるのかわからないけど、わかる」——それが人間の目の解像度です。

「ハゲベンチマーク」という言葉も飛び出しました。VRヘッドバンドディスプレイの研究では、髪の毛が邪魔なので研究者はみんなスキンヘッドにしていた。逆に言えば、髪がない状態だからこそ見える肌の艶、汗のリフレクション、しわの深さといったディテールは、CGリアリティの重要なベンチマークになり得ます。

MVP開発のジレンマと「AGENTS.md」による制御

クリエイターのTORAKOさんからは、会社内で開催されているAIコンテストの話が共有されました。プログラミング経験がなかった人間が、AIの力でツールを作れるようになった。それ自体は素晴らしいことですが、いざそのツールを「会社で正式に使うもの」にしようとすると、セキュリティの申請、予算の確保、アクセス制限の設計……やるべきことが山のように見えてきて、コンテストの楽しさとは裏腹に「しぼんでいく」感覚があるとのこと。

これに対して白井先生が紹介したのが「MVP(Minimum Viable Product)」の考え方です。車の例えが分かりやすい。タイヤが1つ、2つ、3つ……と増やしていって最終的にSUVになるのではなく、最初からスケートボードやキックボードとして「移動する価値」を証明する。自転車でも十分に完成形であり、必ずしもファミリーカーにする必要はないのです。

頭の中におじさんがいる。なんか言われても、「ありがとう」って言って、全部切り離してみよう。「これは本番の時にやるべきことであり、今やるべきことではありません」「そこはあとでジャブジャブ予算使えるようにしてもらって」っという風に切り分けてください。

MVPを作る段階で、本番環境のセキュリティやコスト、スケーラビリティを考えるのは「おじさんトーク」であり、それは別のファイルに分けてネガティブプロンプトとして扱うべき。AGENTS.mdには「今やるべきこと」だけを書き、「今考えなくていいこと」は明示的に除外する。いわゆるネガティブプロンプトに書くべき要素を明示的に切り分けます。これがバイブコーディングと本格的なAI駆動開発を分ける境界線です。

資料:AI駆動開発 共通ガイドライン

https://note.com/o_ob/n/nc97a3ce52c12

後半では、トークナイザーの実演が行われました。LLaMA Tokenizer のデモページを使い、AI駆動開発の共通ガイドラインの冒頭部分を日本語と英語で比較。日本語では203文字で239トークンを消費するのに対し、同じ内容の英語は506文字でわずか118トークン。同じ「意味」を伝えるのに、日本語は英語の約2倍のトークンを消費してしまいます。だから AGENTS.md の冒頭には「思考は英語で行い、最終的な出力は必ず日本語で提供してください」と書くのです。

日本語で提供したプロンプトをトークナイザーで分析。239トークン。

同じ内容を英語に翻訳してからトークナイザーで分析。118 tokens。

驚きを設計する:LTX-Videoによるファンタジー動画

最近クリエイティブAI学習をスタートした「NABeさん」の作品レビューも行われました。週に1本のペースで制作しているというファンタジー動画は、Flux 2 Pro で生成した静止画を LTX 2.3 で動画化するワークフロー。紫色の神秘的な森の中をドラゴンが飛翔する映像は、不気味さと美しさが絶妙に同居しています。

https://www.youtube.com/watch?v=SQOpvv12O5Y

参加者からは「怖いはずなのに、引き込まれて最後まで見てしまった」「暗くて不気味な森なのに、神秘的な感じがする」という感想が寄せられました。制作者のなべさん自身も「不気味さの中にちょっと綺麗さを出そうかなと思って」と語っており、その意図が視聴者にしっかり伝わっていることが確認できた瞬間でした。

白井先生からは、パーティクル(塵や泡などの細かい粒子)の制御、コースティクス(光の屈折による模様)の表現、そして対比的で魅力的なリールの構成、Aロール・BロールをつくるAショット・Bショット——つまり「驚き」を盛り上げながら計画的に配置する映像設計の技術について、プロの視点からフィードバックがありました。静止画での止め絵・決め絵がしっかり描けていないものを、動画にしてもうまくいかない。アニメ制作における原画→動画→彩色のパイプラインと同じように、まず「1枚で語れる絵」を作ることが出発点です。

編集後記:サードプレイスとしてのLab+

職場(セカンドプレイス)でも家族(ファーストプレイス)でもない、利害関係を超えて知見を共有できる「サードプレイス」。
「近くのパチンコ屋に『あなたの街のサードプレイス』と書いてあります」と笑いを誘ったように、誰にとっても気軽に訪れられる場所であること——それがLab+NEOの目指す姿です。

AICU Lab+NEOは、クリエイティブAIという共通言語で、立場や経歴を超えたクリエイター同士が「野生の嗅覚」をぶつけ合える場所を目指しています。今回の初回セッションでは、元芸人のYouTubeプロデューサー、大企業でAIコンテストに挑むクリエイター、療養中にAI動画制作を始めた方、デジハリ大学院の研究員——まったく異なるバックグラウンドの参加者が、それぞれの「つくりたい」をぶつけ合い、具体的なアドバイスと次のアクションを持ち帰りました。

次回のコンテストテーマは「AI子供の日」!オープンクロー(OpenCrew)特集も検討中です。あなたの「つくりたい」を加速させるギルド、次回もお楽しみに!https://c.aicu.jp/

https://c.aicu.jp/


本セミナーのアーカイブ動画を期間限定で公開中です!
AI動画制作の最前線を、ぜひあなたの目で確かめてください。

期間限定視聴URL: https://ws.aicu.jp/watch/labplus-neo-260418/

AICU Lab+ サブスク会員はこちらのサイトで視聴可能になります。

次回 Lab+NEO は 2026年5月9日(土)20:00〜開催!
予約はこちら → http://j.aicu.ai/LabPlus


その他紹介されたURL

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Originally published at note.com/aicu on Apr 19, 2026.

AICU Japan

AICU Inc. AIDX Lab - Koto

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