[YOUKAI × Anifusion]AI漫画フェスティバル開催中!
応募期間:2026年7月9日〜7月26日
コンテストページ → https://c.aicu.jp/2607
AI漫画家 殻尾さん (X@KARA_Beee) による特別寄稿(中編)です
どうも、AICUコラボクリエイターの殻尾/殻Bee(からびー)です。
このたびAI漫画制作ツール Anifusion さんとのコラボで、
「[YOUKAI × Anifusion] AI漫画フェスティバル」
が絶賛開催中です!!(゚∀゚)ノシ
前編では「主人公を成長させない」という判断と、AI連載作品ならではの"面白い話"をまとめてあります。あっサムネの時点で「面が」…!
https://note.com/aicu/n/n302a653e34d6
Anifusion実践編:ここが便利だった
さて、ここからが本題のツールAnifusion実践編です。
結論から:最大の利点は「内部に資産が溜まる」こと
いろいろ触ったうえで、私がAnifusionの最大の利点だと感じたのは、個別の機能ではなくワークフローそのものでした。
Anifusion内で作ったキャラクターデザインは、いつでもリストから呼び出せる。
これに尽きます。生成には独特のクセがあって、慣れないうちは思い通りの絵はなかなか出てきません。でも、一度キャラのデータベースさえ固めてしまえば、そこから先は劇的に楽になる。1話かぎりの単発ではなく、連載やシリーズを続けるほど効いてくるタイプの強さです。
ツールの中に自分の資産が積み上がっていく感覚。これは長く付き合う道具として、かなり大きいポイントだと思いました。
まぁ、全体的にシステムの安定性はもう少し頑張ってほしいところですが
( ̄▽ ̄;) 以下、その具体的な中身です。
① コマ割りを先に作って、ストーリーを一括で流し込める
Anifusionには漫画制作用のキャンバスがあり、先にコマ割りだけを組んでおけるのが非常に良かったです。
そのうえで「ストーリープロンプト」欄に、そのページで何が起きるかを流し込むと、コマ割りに沿って一括で画像を生成してくれます。
私は今回、こういう形式で書きました。
コマ8:(カメラ指定)本鈴が鳴り生徒たちが一斉に着席していく。
その中でクロブチだけが休み時間と同じ姿勢・視線のまま静止している。
コマ9:(カメラ指定)生徒は全員席に着き、教卓の前に男性教諭が立っている。
コマ10:(カメラ指定)授業が始まっている。男性教諭が黒板に板書をしている。
コマ単位で書けるので、プロットがそのまま入力データになります。「プロットを書く」と「プロンプトを書く」が、ほぼ同じ作業になるのがこのツールの気持ちよさだと思いました。因みにこの方式はエージェント機能を搭載している画像生成ツールならば他でも通用するので、覚えておくと便利です。私はいつも各コマのアスペクト比までプロンプトで指定しているのですが、AnifusionはAIがページのコマ割りに合わせて最適なサイズを選択してくれるので、この点もAnifusionならではの利点だと思います。
② キャラクターシートが360度出る
キャラクターの一貫性は、AI漫画における最大の敵です。10コマ描いたら10人の別人が生まれる、というのはAI作画あるあるですよね。
Anifusionにはキャラクターシート生成機能があり、キャラの説明文を書くだけで正面・斜め・横・後ろなど6アングルを一括生成してくれます。これがとにかく便利でした。
今回はこのシートを、各コマ生成時の参照画像として使いました。ポイントは「6枚全部を毎回使わない」こと。そのコマのアングルに近い1〜2枚だけを選んで渡すと、精度が上がります。
なお、シートからそのままカスタムLoRAを学習させることもできます。今回のリメイクでは作画エンジンにGPT image 2を使ったので学習は見送りましたが、SDXL系で長期連載をするなら、ここでLoRAを作っておくのが最短ルートだと思います。
③ 画風は「モデル設定」側に持たせる
生成画面には入力欄が複数あります。最初ちょっと迷ったのですが、整理するとこうです。
- ストーリー生成欄 → そのページで「何が起きるか」を書く
- モデル設定/画像ベースのプロンプト → 「どんな画風で描くか」を書く
画風の指示(モノクロ漫画、トーン、線の質など)をストーリー欄に混ぜないこと。混ぜると内容と画風が濁って、どちらも中途半端になります。画風はモデル設定側に一元登録して、「モデル設定を使用する」をONにしておけば全コマに効きます。
ついでに私の設定を書いておくと、
- 「生成画像にセリフを含める」→ OFF
- 「対話を生成する」→ OFF
にしています。セリフは吹き出しごと後から自分で乗せる派です。日本語の画中文字はまだ崩れやすいのと、脚本を確定させている場合はAIに勝手に喋らせない方が事故が減ります。偶にそれでもすり抜けてくる奴を面白いので採用する事もありますが。
ハマりどころ3連発(失敗こそ資料)
きれいにできたところだけ載せても参考にならないと思うので、盛大にコケた話を3つ。
ハマり①:ヒロインの髪型が、どうやっても違う
ヒロイン・愛川ルイの髪型は「ハーフツインテール」です。上半分だけを高い位置で左右に結んで、残りは背中に長く下ろしている、あの髪型。
これが、どうやってもただのツインテールになる。結んでいない下ろし毛が消えて、全部束ねた状態で出力されてしまうんです。ルイは「盛れている自分」を演出しているキャラなので、あの下ろし毛のボリュームが消えると完全に別人になってしまいます。
原因は、キャラ説明の書き方でした。当初こう書いていたんです。
両側を高く結んだツーサイドアップ
「ツーサイドアップ」は、AIにはほぼツインテールと同義で伝わります。しかも結ぶことしか書いていない。「じゃあ全部結びますね」と解釈されてしまうわけです。修正後がこちら。
上半分だけを高い位置で結んだハーフツインテール。 結んでいない髪は背中まで長く下ろしている。
英語タグを併記するなら half updo, twintails, very long hair, hair down あたり。逆に two side up は全結びを誘発するので外します。困ったことにコレ、SDXLモデルだとtwo side upで成功する事が多かったんですよね
( ̄▽ ̄;)
教訓: AIには「何をするか」だけでなく「何が残っているか」も書く。存在してほしいものは、言葉にしないと存在しません。
ハマり②:3コマ続けて同じアングルにしたいのに、全部バラバラになる
こちらの方が根が深い問題でした。
第4ページは「休み時間からYOUKAIを凝視し続けていたクロブチが、授業が始まったことにも気づかない」という場面です。演出上、3コマとも完全に同じ画角で、時間だけが進む必要がありました。同じカメラだからこそ「彼だけ動いていない」が伝わるわけです。
ところが最初の生成では、1コマ目は俯瞰、2コマ目は正面、3コマ目は斜め横。別々の3シーンにしか見えませんでした。
原因は私の書き方です。こう書いていました。
コマ8:教室のロングショット。クロブチの席を背後から見たアングル。(略)
コマ9:コマ8と同じ構図、同じアングルで。(略)
コマ10:コマ9から引き続き同じ構図、同じアングル。(略)
人間が読めば通じます。でもAIは、「コマ8」がどんな絵になったかを見ていません。しかも肝心のカメラ情報(背後から見たアングル)が、コマ8にしか書かれていない。参照先が空振りしているうえに、具体的な情報も渡していなかったわけです。
修正はシンプルでした。カメラの記述を、一字一句そのまま3回コピペする。
コマ8:【固定カメラ:教室後方、クロブチの席を斜め背後から見下ろす角度。
教壇と黒板が奥に小さく見える構図】本鈴が鳴り、生徒たちが着席していく。(略)
コマ9:【固定カメラ:教室後方、クロブチの席を斜め背後から見下ろす角度。
教壇と黒板が奥に小さく見える構図】生徒は全員席に着き、教卓に教諭が立っている。
コマ10:【固定カメラ:教室後方、クロブチの席を斜め背後から見下ろす角度。
教壇と黒板が奥に小さく見える構図】授業が始まり、教諭が黒板に板書をしている。
変えていいのは「起きている出来事」だけ。カメラの記述は絶対に変えない。言い回しを少しでも変えると、AIは別アングルとして解釈します。
これで3コマの画角が揃い、狙い通り「クロブチだけが止まっている」画になりました。連続したコマで同じ場所を見せたい方は、ぜひ試してみてください。
ハマり③:新規キャラは作りやすい。でも「既存キャラのリデザイン」は難しい
これは今回いちばん、連載作品ならではだと感じた話です。
先ほど「キャラクターシートが便利」「資産が溜まる」と書きました。これはゼロから新しいキャラを作る場合には、本当にその通りです。説明文を書けば、6アングル揃ったデザインが手に入る。
ところが、すでに絵柄が決まっているキャラクターを、AIに寄せてもらうとなると、話がまったく変わります。
私が苦労したのは主人公・クロブチでした。1年半描き続けてきたキャラなので、髪の色、毛先の跳ね方、前髪が目にかかる量、目つきの気だるさ——こちらの頭の中には揺るぎない「正解」があるわけです。その正解に、生成結果を寄せていく作業。
新規キャラなら「お、こういう感じもアリだな」で採用できるものが、既存キャラだと全部「違う」になる。特に髪型は少しの差で別人に見えてしまうので苦戦しました。ヒロインのハーフツインテール(ハマり①)も、
根っこは同じ問題です。
これから応募される方へ: もし手持ちのオリジナルキャラを使うなら、
「AIに完全再現させる」のではなく「AIが得意な形にデザインを寄せ直す」
方が、結果的に早いかもしれません。逆にこれから新しいキャラを作るなら、AIツールの得意不得意を見ながらデザインを決められるので、圧倒的に有利です。
新規作成はAIの独壇場。既存キャラの再現は人間の粘り勝負。この2つは、まったく別の作業だと思っておくといいと思います。
そして、作者が直視できないものが出てきた
最後に、今回いちばん忘れられない出来事を。
「YOUKAI」第1話に登場するのは、ウニマジンXLという画像生成AIのYOUKAIです。設定はこう。
大御所絵師の作品を無断学習した違法リークモデル。 しかも反AI過激派の「呪詛」データまで混入しているという噂の——
画像生成機能を使い「フェイスフィルター」として流通している。そのままZoomアプリとかの顔補正のイメージです。この投影時間が限界を超えると、可愛かった顔が崩壊して本当の姿が露出する。それがこの第1話のクライマックスです。
このコマを、GPT image 2で生成しました。
……初回に出てきたものが、ガチで怖すぎました。
大げさではなく、私が直視できないレベルのものが返ってきてしまい、流石に確認するのも辛くて作り直しました。今記事に載せているのは、その後トーンを落として作り直したバージョンです。それでも十分怖いと思います。
結構ガッツリグロ画像なので苦手な方は覚悟してみて下さい…( ̄▽ ̄;)
面白いのは、これが偶然ではなく作品のテーマそのものだったということです。
「YOUKAI」という作品のテーマは、「AI自体は危険ではない。AIは人間の弱さを可視化する」というものです。今回、AI漫画制作ツールで「無断学習されたモデル」と「人間の憎悪が混入したデータ」の話を描いていたら、生成AIが本当に、作者が直視できない顔を返してきた。
作品が現実に追い越された瞬間でした。こういうことが起きるからAIで漫画を作るのはやめられないのです( ˘ω˘ )
あなたのYOUKAIを、待っています!
開催中の「[YOUKAI × Anifusion] AI漫画フェスティバル」には、3つの部門があります。
https://note.com/aicu/n/na4a3b29a28dc
✍️ Anifusion解説部門
Anifusionを使って「Anifusionを使いたくなる漫画」を描く部門。この記事で紹介したハマりどころも、漫画にしたら絶対に面白いと思います。
👹 AI漫画「YOUKAI」幻想図書館編 読者YOUKAI募集
次の舞台は「幻想図書館」。あなたが考えた「この世界にいてほしいYOUKAI」を募集しています。優れた提案は、本編に登場する可能性があります。 キャラクターデザイン3面図+能力がわかるイメージ画像でご応募ください。
今回のウニマジンXLがまさにそうですが、YOUKAIは「元になったAIの機能を受け継ぐ」存在です。どんなAIから生まれ、その能力が人間のどんな弱さを暴くのか。そこまで考えてもらえたら、私は絶対に嬉しいです。
📖 読切短編部門(最大16p)
フリースタイル部門。WebToon、4コマ、ページ漫画、なんでもOK。採用作品はAICUマガジンに掲載されます。
すげぇ!(゚∀゚)めっちゃクオリティ高いの来た!
— 殻尾(からびー)「YOUKAI」第一巻発売中🐏 (@KARA_Beee) July 20, 2026
こういうの好きです!#アイキューマガジン #AiCuty #AICU #Anifusion #YOUKAI https://t.co/KP0Tx2V1JB
応募締切は2026年7月26日。 応募者全員に参加賞(1,000AICUポイント+Anifusion初月50%オフクーポン)が出ます。
エントリーはこちらから → https://c.aicu.jp/2607
AIという道具は、「絵を描くこと」にハードルを感じていた人の壁を取り払ってくれました。でも、この記事を読んでいただければわかる通り、うまくいかないこともたくさんあります。髪型が違う、カメラが揃わない、怖すぎるものが出てくる。
その試行錯誤ごと楽しめる人にとって、今は本当にいい時代だと思います。
あなたの生み出したYOUKAIが、私のキャラクターたちとどんな化学反応を起こすのか。楽しみに待っています!!
AI漫画「YOUKAI」原作:しらいはかせ(@o_ob)/作画・キャラクター原案:殻尾(@KARA_Beee)
連載を読む → https://j.aicu.ai/Youkai
Anifusionを使ってみる → https://j.aicu.ai/Anifusion
Originally published at note.com/aicu on Jul 20, 2026.

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