AICUはるフェス2026 Day3 セッションレポート①
「漫画編集者・佐渡島庸平 × AICU編集長・白井暁彦(しらいはかせ)対談」AICU media ライターのEMKOがお送りします。
AICUはるフェス2026、3日間の最終日となるDay3。そのメインセッション「漫画×AIの最先端!? 持ち込み歓迎 プロ編集者はココを見る!」は、約2時間にわたる濃密なトークセッションとなりました。
https://aicu.jp/e/Fes26Halu/S32/
登壇したのは、漫画編集者・佐渡島庸平氏と、AICU編集長・白井暁彦氏(しらいはかせ)。漫画の最前線を知る編集者と、AI×クリエイティブを追い続ける研究者が、「漫画とAIの現在地」について語り合います。
この対談レポートは全4回に分けてお届けします。第1回は佐渡島庸平氏の紹介と、氏が手がけた数々のヒット作、そしてAIクリエイターの可能性についてお伝えします。
佐渡島 庸平 @sadycork Yohei Sadoshima
コルク代表。『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』など多数のヒット作を手がけてきた編集者。2002年講談社入社後「モーニング」で人気作品を担当。2012年にクリエイター支援を目的としたコルクを創業し、作家の伴走型エージェントとして漫画・小説・映像企画まで幅広いクリエイティブをプロデュース。
『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』——ヒット作の裏にいた編集者
白井: この中で『宇宙兄弟』読んだことある人?
会場で多くの手が挙がりました。
白井: そもそも『宇宙兄弟』、何歳ぐらいの時に始まったんですか?
佐渡島: 18年前ですね。27、28歳のときに企画して。『ドラゴン桜』が終わって、2、3年粘って作ったのが『宇宙兄弟』って感じです。
白井: 当時は1人の編集者が何件ぐらい担当するんですか?
佐渡島: 新人だといっぱい持ってますよ。10人、20人。やる人は4、5作品ぐらいやるし、っていう感じです。
佐渡島氏の担当作品を並べると、その存在感の大きさが伝わります。三田紀房氏の『ドラゴン桜』、小山宙哉氏の『宇宙兄弟』、安野モヨコ氏の『働きマン』、そして『インベスターZ』。
三田紀房——「育ててくれた上司」
三田紀房氏との関係について、佐渡島氏はこう語りました。
佐渡島: 三田さんは元サラリーマンだったんで、むちゃくちゃフレキシブルで。僕を育ててくれた上司みたいな感じです。
『インベスターZ』の誕生エピソードも独特です。
佐渡島: 三田さんが「会社作って大変そうだから連載1個プレゼントする」って言って始まったんです。
佐渡島氏がコルクを立ち上げた直後の大変な時期に、かつての担当作家から「連載をプレゼントする」と言われた。編集者と漫画家の間にある信頼関係がにじみ出ています。安野モヨコ氏との仕事はまた違った形でした。
佐渡島: 安野さんは超ベテランなので、僕はもう言われるがままに調べものしてました。
そして『宇宙兄弟』は今、大きな節目を迎えています。
佐渡島: あと1話で最終回なんですよ。
18年間続いた連載が、あと1話で完結する。会場に静かなどよめきが広がりました。
「興奮しながら動いてる」——AIクリエイターへの眼差し
白井氏が佐渡島氏に、AIクリエイターの現状をどう見ているかを尋ねました。
佐渡島: AIを触ってる人たちって、興奮しながら動いてるじゃないですか。使ってると実力も進化するんで、どこかで既存のクリエイターを追い抜いていくだろうなとは思います。
佐渡島: 無知だから動けたっていうのがあるんですよね。起業も同じで。
白井: やっていくうちに、最初はインスタントコーヒーだったものが、本物のコーヒーになっていく。それを極める人が出てくると、もっと本物が欲しくなる。
佐渡島: そう。やってると解像度が上がってくるんですよ。先に解像度が上がることはない。やりながら上げていけばいい。
佐渡島: 出版社からすると使い物にならないものが7割なんですよ。でも職業が全くそうじゃない人からすると、むちゃくちゃすごいもんが上がってきた気持ちになる。これはすごいいいことだと思います。
白井氏も自身の経験を重ねました。AICUで漫画の公募をした際、絵がうまく実力がある人が必ずしも連載に向いているわけではなかったといいます。1枚の絵が作れることと、作品を連載として届けることは、まったく別の能力です。これはAI漫画制作にもそのまま当てはまります。
なぜAIクリエイターの祭典に漫画編集者を呼んだのか
白井: サディ(佐渡島氏の愛称)みたいな人は漫画の世界に多いんですか?
佐渡島: 僕は学び方がうまいんだなと思います。勉強が得意っていうよりも、短時間でどう学べばいいかを先に考える。どっちかというとそっちに時間を費やすタイプですね。
白井: まさに今の生成AI時代にサディをここに連れてきた理由が多分そこで。生成AI時代に頭角を発揮する人たちって、がむしゃらに頑張るタイプじゃなくて、自分はどうなりたいかに対して仮説を立てて、「とにかくこれが勝ち筋だ」っていう風に組み立てていく人だと思うんです。
白井氏は続けました。AICUで伸びているクリエイターも、自分が作りたい世界を作るためにとにかく前向きに動く人だといいます。その共通点は、漫画の世界で佐渡島氏が見てきたクリエイターたちと重なっていました。
次回予告
次回は「1日4ページ、下書きでいい」。佐渡島氏が語る、クリエイターに必要な「体力づくり」に迫ります。
イベント情報: - AICUはるフェス@GOX2026 情報解禁!|AICU
基調講演アーカイブ動画:
[期間限定公開]スペシャル対談「漫画×AIの最先端!?」持ち込み歓迎 プロ編集者はココを見る! — 佐渡島庸平×白井暁彦|AICUはるフェス2026 Day3
リポストで無料
---
この記事の続きはこちら https://www.aicu.jp/post/260330
Originally published at note.com/aicu on Mar , 2026.

Comments