世界のクリエイティブAI最前線:Project Odysseyシーズン2に見る多様性と課題

世界のクリエイティブAI最前線:Project Odysseyシーズン2に見る多様性と課題

生成AI時代に「つくる人をつくる」アイキューから、クリエイティブAIの最前線をお届けします。今回は、先日シーズン2が終了したばかりのAI映像コンテスト「Project Odyssey」を深掘り。国際メディアパートナーとしてその結果と、事務局からのフィードバックを通して、国際的なAI映像制作の現状と課題、そして今後の可能性を探っていきます。

Project Odyssey シーズン2 概要

Project Odysseyは、AIを活用した映像制作の可能性を追求する国際的なコンテストです。シーズン2では、世界中から多数の作品が寄せられ、AI技術の進化とクリエイターたちの創造性が融合した、見応えのある作品群が生まれました。

AICUはこの名誉ある映画祭のブロンズスポンサーです。Japan Watch Partyを開催し、その作品の審査の一部をオープンに実施いたしました。

https://note.com/aicu/n/nf69b05fc4ae0

多様な文化が生み出すAI映像の可能性

Project Odysseyの特徴の一つは、参加者の出身国の多様性です。佳作、トップ50、トップ25に選ばれた上位15か国のデータを見てみましょう。

[国、割合、作品数]
アメリカ 14.77079796 87
中国 9.168081494 54
スペイン 5.093378608 30
フランス 4.753820034 28
日本 4.41426146 26
カナダ 4.074702886 24
ドイツ 3.904923599 23
イギリス 3.225806452 19
ポーランド 2.20713073 13
韓国 2.20713073 13
インド 2.037351443 12
ウクライナ 1.867572156 11
イタリア 1.697792869 10
タイ 1.528013582 9
トルコ 1.358234295 8

入賞作品の国際的な統計です。

  • 52.30% が英語の作品でした。 これらの多くは英語を母国語としない人々によって制作されましたが、それらを外国語映画としてカウントしていません。

  • 26.15% が外国語の作品でした。

  • 21.53% は言語を特徴としませんでした。

代表性という点では、常により良く、よりグローバルになるように努力されています。これらのデータは、特にオデッセイが米国を拠点とするコンテストであり、関係するAI映画会社(そして間接的にそのユーザー層)の大部分が米国法人であることを考えると、その分野で良い結果を出していることを示していると言えるでしょう。

一方で、このデータは、AI映像制作が特定の地域や文化に偏ることなく、世界中で広がりを見せていることを示唆しています。多様なバックグラウンドを持つクリエイターたちが、それぞれの文化的視点や感性をAIと融合させることで、これまでにない新しい映像表現が生まれる可能性を秘めていると言えるでしょう。

文化的に均質になってしまうかもしれないAI動画生成の未来を計測していくうえでも継続的に観測されるべきですね。

参加者からのフィードバックと課題

一方で、コンテスト事務局であるMatty Shimura氏からは、運営や審査基準に関する貴重な意見が寄せられました。

  • 締め切りの厳守: 昨年10月から開催されているコンテストであるため、技術的な問題を回避するための十分な時間があったはずであり、締め切りは厳守されるべき。

  • 審査基準の再考: シーズン2の審査基準には抜け穴が多く、特に「視聴者へのインパクト」や「ストーリーの魅力」といった要素が十分に評価されていない。

  • スコアボードシステムの改善: 現在のシステムよりも詳細な評価基準に基づくスコアボードシステムが望ましい。

これらの意見は、AI映像コンテストが今後さらに発展していくための重要な示唆を与えてくれます。技術的な問題への対応、審査基準の透明性、そして作品の質を多角的に評価するシステムの構築は、コンテストの公平性と信頼性を高める上で不可欠な要素です。

日本からの受賞作も、2作紹介。

 

クリエイティブAIの未来は挑戦することから

Project Odyssey シーズン2は、AI映像制作の多様性と可能性を示すと同時に、コンテスト運営における課題も浮き彫りにしました。参加者からのフィードバックを真摯に受け止め、改善を重ねることで、Project Odysseyは、そしてクリエイティブAI分野全体は、さらなる発展を遂げることでしょう。

AICUでは、今後もクリエイティブAIの最新動向を追いかけ、皆様に有益な情報をお届けしていきます。

授賞式「AI Film Gala」は 4月16日にサンフランシスコで開催されます。

受賞作品発表: https://www.projectodyssey.ai/season-2-awards
日本からの作品リストはこちらから

 

Originally published at https://note.com on Mar 1, 2025.

AICU Japan

AICU Inc. AIDX Lab - Koto

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